「ダイエットが上手くいかない」
「便秘に悩んでいる」「言われてみれば便秘だ」
実は、これらのお悩みは、両方かかえているケースが少なくありません。
一見別の悩みのようですが、便秘はダイエットの成功を妨げる大きな原因のひとつです。
・便秘の基礎知識
・便秘とダイエットの関係
・今日からできる便秘解消方法7選
ダイエットをはじめてから便秘になった、そうしたケースも少なくありません。
今日は、あなたの腸内環境や生活習慣を見直していきましょう!
Contents
そもそも便秘とは
よく聞くフレーズではありますが、あらためて便秘について振り返ってみましょう。
便秘とは
「何日も便が出ない」「お腹が張る」「便が硬く、出すときに強くいきむ」など、排便に苦痛や不快感がともなう場合は「便秘」の状態かもしれません。
排便回数は個人差が大きいといわれていますが、 一般的には排便が週に3回未満の状態が便秘とされる目安です。
食べ物を消化・吸収して便ができるのは、主に腸の働きによります。
個人差はあるものの腸が活発に働いていれば1日3回~週に3日程度、排便があると言われています。
原因が明らかでない便秘
もっとも一般的な便秘のタイプ(機能性便秘)
偏った食事や運動不足といった生活習慣の乱れや、ストレスなどにより、腸の働きが低下することで生じるタイプの便秘です。
多くの方が悩むことになる、もっとも一般的な便秘のタイプといわれています。
便秘が解消されない場合は医師に相談して適切な治療を受けることが大切です。
腹痛・腹部不快感をくりかえすタイプ(便秘型IBS)
便秘や腹痛、お腹の不快感がくりかえしあらわれるタイプの便秘です。
排便によって症状が改善するなど、思い当たる症状があり、不満や不安を抱えている場合には医師に相談してみましょう。
IBSは病医院で診察・治療ができる病気です。
原因が明らかな便秘
消化器官の病気が原因の便秘(器質性便秘)
大腸がんやクローン病などの病気が原因で腸の構造に異常が起こり、便が通れなくなることで生じるタイプの便秘です。
便秘から腸閉塞に移行することもあるため、放っておかずに病医院を受診しましょう。
内科的な病気が原因の便秘(症候性便秘)
糖尿病やパーキンソン病など、内科的な病気の影響で生じるタイプの便秘です。
原因となる病気を治療中の方は、気になる症状を主治医に相談してみましょう。
お薬の服用が原因の便秘(薬剤性便秘)
服用したお薬の影響で生じるタイプの便秘です。便秘に影響するお薬として、抗コリン薬や抗うつ薬などが知られています。
特に高齢者は多くのお薬を服用している場合が多いため注意が必要です。
便秘とダイエットの関係
では、今日のテーマである便秘とダイエットの関わりについて確認していきましょう。
腸の働きがダイエットの成功につながる?
腸の働きが悪くなると
食べたものから栄養素を吸収し、老廃物を排出することが腸の大きなはたらきです。
第2の脳とも言われるほど、健康を支えるために重要視されています。
腸の環境が悪化し、この働きが滞ると、必要な栄養素が吸収されなかったり、老廃物がスムーズに排出されずに便秘になったり、腐敗した老廃物、毒素が腸内で吸収されてしまったりと様々な影響が起こります。
これらの症状は、便秘だけでなく、肥満、肌荒れ、体臭、疲れやすさなど不調の原因にもなります。なによりダイエットにおいて、腸内の環境、はたらきが成功を左右する問題です。
腸の働きが作る免疫力
また、腸内環境の悪化は免疫力にも大きな影響を与えます。
免疫力とは、疫=病気を免れる力のことです。免疫は、一度病気にかかったら二度とかからない、あるいは抵抗ができる生体反応であり、免疫力が高ければ、ウイルスや病原菌など異物が体内に侵入すると、体の免疫システムが働き侵入してきた異物から体を守ってくれます。
腸には、細菌やウイルスを吸収せず便として排出するために、リンパ球という免疫細胞の多くが集まっています。
全免疫システムの70%を担う、外部攻撃からの砦が腸なのです。
体調を崩してしまってはダイエットどころではありませんので、免疫力の低下も避けたい状態です。
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簡単!腸内環境チェック!
では、自分の腸内環境はどうでしょうか?腸内環境の悪化には、生活習慣が大きく関わっています。
次の項目に3つ以上当てはまる方は、注意が必要かもしれません。
- いつも満腹になるまで食べる
- 洋食が多い
- 魚より肉派
- コンビニ食、外食が多い
- 野菜をあまり食べない
- あまり噛まない、食べるのが早い
- 発酵食品はあまり食べない(納豆、キムチ、ぬか漬け、味噌、ヨーグルト)
また、腸内環境を悪化させる原因としては、大きく次のようなものがあげられます。
食事
野菜や穀類中心の食生活、以前の日本人の食事は善玉菌にとってとても良い環境でした。
ところが、現代では肉類など動物性たんぱく質中心の食生活に変わったことから、脂質や動物性たんぱく質を好む悪玉菌が増え、健康な腸内環境を保ちにくくなります。
ストレス
腸には消化管の機能を調整する神経系があることが知られています。
腸と神経は密接な関係にあるため、精神的なストレスによっても腸内環境が乱れ、下痢や便秘といった症状を起こしやすくなります。
特に、慢性的な下痢や便秘のうち、過敏性腸症候群はストレスが大きく関係しています。
加齢
新生児の腸内は乳酸菌が大半で、悪玉菌はごくわずか。
成長につれて変化し、成人では善玉菌と悪玉菌のバランスがとれた腸内環境となります。
その後、60歳を過ぎると善玉菌が減り悪玉菌が急激増加すると言われています。
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今日からできる、便秘解消活動!
便秘を解消するためにできること、実はたくさんあります。
ひとつひとつは小さなことと感じられるかもしれませんが、大切なのは、そうした生活の積み重ねです。
腸内環境改善に役立つ食材をとる
食物繊維
食物繊維は日本人に不足しがちな栄養素ですが、腸内環境の改善には欠かせない栄養素です。
その性質から「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類に大きく分けられますので、どちらもバランスよく摂るようにしましょう。
水に溶けない不溶性食物繊維は、便のかさを増やし、腸壁を刺激することで蠕動運動を促進してくれます。
穀類、野菜、豆類、キノコ類、果実、海藻、甲殻類(エビやカニ)の殻などに含まれています。
また、水溶性食物繊維は保水作用で便を柔らかくし、腸の蠕動運動を活発にする作用を持ちます。
腸内にいる善玉菌のエサとなり、短鎖脂肪酸を産生し整腸や血糖値コントロールなど様々な作用を持っています。
こちらは、昆布、わかめ、こんにゃく、果物、里いも、大麦、オーツ麦などに含まれています。
便秘には食物繊維、と考えがちですが、上記の通り食物繊維には2種類あります。
食物繊維と聞くと、穀類や野菜などに多く含まれる前者を思い浮かべる人も多いかもしれません。
でも、ダイエット中に不足しがちなのは後者の水溶性食物繊維。水に溶けやすく、便の排出を促す働きをもつ食物繊維ですので意識して摂ってください。
発酵食品
乳酸菌、酵母菌、麹菌、酢酸菌、枯草菌を含むものを積極的に摂りましょう。
具体的には、味噌、醤油、ぬか漬け、キムチ、納豆、チーズ、お酢など が挙げられます。
発酵食品の代表格の乳酸菌ですが、せっかく取っても胃液や胆汁でほとんどが死滅してしまいます。
「生きたまま腸まで届く」という表記の特定保健用食品なども増えていますので、購入の際には参考にしてみてください。
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動物性食品(特に肉)に偏ることなく、大豆製品、野菜、芋、果物などを増やしましょう。
好きなものを全て断つと、その反動で食べ過ぎる可能性もあります。
たとえば甘いものが食べたいなら、ケーキではなく干し芋を選んでみるなどもよいでしょう。
ちなみに干し芋は、食物繊維が豊富で血糖値が上がりにくい食べ物。ビタミンCが豊富で、お肌にもよい効果があります。
干すことで旨みが凝縮されていて満足感が高くもあるので、ダイエット中のおやつに最適です。
腸内環境を荒らす食材に注意する
脂質や糖質が多いもの
脂質や糖質の多い食品は、体重増加につながるのでダイエットの天敵であるのと同時に、悪玉菌を増やしてしまう原因にもなります。
摂りすぎないように注意しましょう。
添加物
ダイエット中には魅力的な、カロリーオフ、糖質ゼロなどとうたわれている商品。
とつい手にとりがちですが、人工甘味料が多く使われているケースも少なくありません。
添加物や人工的な甘味料などは、善玉菌を減らしてしまうリスクが懸念されています。
現代は添加物を避けることも難しいですが、できるだけ無添加のものを選ぶよう心がけてみてください。
起きたらまずは、一杯のお水を飲む
毎朝決まった時間に起きることで、自律神経が整い、腸にも良い影響が期待できます。
寝ている腸を動かすために、まずは起きたらコップ一杯お水を飲む習慣をつけましょう。
この際、冷たいお水をさけて、できれば白湯、難しくても常温のお水にして、からだを冷やさないよう注意しましょう。
水分は温かいものを選ぶ
腸を労わるためには、できれば常温や温かい飲み物が理想的です。
夏場などはどうしても冷たい飲み物が欲しくなりがちですが、体を冷やすことはダイエットだけでなく腸内環境のためにも好ましくありませんので、可能な範囲で避けるようにしましょう。
抗酸化作用が高いといわれているルイボスティーやハーブティーなどは、日中の水分摂取としてオススメです。
質の良い油を摂取する
料理をされる方であれば、選ぶ油にも注目してみてください。
例えば、腸の動きを促すとされるオレイン酸が豊富なオリーブオイル、体内でDHAやEPAなどに変換されるα-リノレン酸を多く含むエゴマ油、抗酸化作用や免疫力向上にいいとされるココナッツ油などが体に良い影響を与えることが期待できます。
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体内時計が狂うと代謝が落ちて太りやすくなる上に、排便リズムが整わずに便秘になりやすくなったり、睡眠障害を引き起こしたりといった弊害があります。
朝食を摂ることで体内時計をリセットできるので、ぜひ食べる習慣をつけてください。
特に体内時計のスイッチを入れやすいのは、穀類+たんぱく質の組み合わせ。
つまり、たとえばラーメンや丼もののように、夜は食べない方がいいものも、摂りすぎなければ朝食には適しているのです。
ダイエットと言うと、食べないことばかりに目がいきますので要注意です。
ひとつの食品ばかりを食べるダイエットが話題になることはありますが、さまざまな栄養素をバランスよく摂らなくては健康的に暮らすことはできません。
栄養バランスの偏った食事を続けると、ホメオスタシスと呼ばれる「生体恒常性(生体が内外部の環境変化に対応し、体内の環境を一定の状態に保つ性質)」が乱れ、腸の機能が低下して便秘を招くこともあります。
必要な量をきちんと食べることを意識しましょう。
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夕食は、胃腸に負担をかけないためにも、寝る3時間前に食べ終えるのが理想です。
また、食事の内容は発酵食品や野菜を使った和食寄りの献立がおすすめです。
食べてからすぐ眠ってしまうようでは、就寝中も内臓機能は働かなければならず、しっかりと休むことができません。
休むことができなければ、次の日の働きは低下…。
ちゃんと休ませてあげる生活習慣を送ることも、腸内環境改善のために重要です。
ダイエットの前に便秘解消を
ダイエットが上手くいかないと、どうしてもその方法に目がいきがちですが、まずは基本を見直してみましょう。
便秘を解消するために腸内環境を整えると、栄養をバランスよく吸収しやすくなるので、少ない食事量でも満足感があり食べ過ぎを防ぐことができます。
また、腸が正常に活動することで、便秘やむくみの解消につながり、痩せやすい体質に近づくこともできますよ。
腸にたまった老廃物をきちんと排出することで、肌によい栄養をたくさん吸収することができるので、腸内環境を整えることは、お肌の健康維持にも効果的です!
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