そもそもグルテンとは?今回はそんな疑問にお答えします。
グルテンフリーダイエットとは
グルテンフリーとは
グルテンフリーダイエットのグルテンフリーとはgluten free、つまりグルテンを一切摂取しないことを意味します。
グルテンフリーダイエットとはグルテンを摂らない食事方法を指します。
ダイエットの意味
米国で何人ものハリウッド女優がグルテンフリーダイエットで減量に成功したことから日本でも話題になったグルテンフリーですが、そもそも英語と日本語における「ダイエット」という言葉の意味の違いから、誤解も生まれているようです。
日本では、ダイエット=痩せることを意味していますが、本来英語でdietは日常の食べ物や食事そのものを意味します。
グルテンフリーダイエットというと、日本ではグルテンを摂取しないことで痩せるものと理解されていますが、本来はグルテンを除いた食事そのもののことを指すのですね。
そもそもグルテンってなに?
グルテンとは
グルテンとは小麦や大麦、ライ麦等に含まれる植物性たんぱく質のことであり、粉に水を加えて練ることで粘る性質があります。
これは、グルテニンとグリアジンという2種類のタンパク質が絡み合って、弾力性と粘り気がでてくるためです。
スーパーで売られている小麦粉を見ると、薄力粉、中力粉、強力粉と種類が分かれていますが、それぞれグルテン含有量によって分けられているのです。
グルテンを含むもの
小麦に含まれるグルテンですから、もちろん小麦製品からできるもの、パン、パスタ、マカロニ、ピザ、天ぷら、肉まん、洋菓子にはグルテンが含まれます。
その他、製造過程で麦を利用した飲料のビールや麦焼酎、つなぎとして小麦を利用することの多いうどんやラーメン、ハンバーグ。
そして意外に思われるかもしれませんが、しょうゆやブルーチーズ等にも含まれています。
グルテンを含まないもの
原料が米や大豆製品にはグルテンが含まれません。
米粉からつくられるビーフンやお餅系の和菓子もグルテンは含まれませんが、そばについてはそば粉100%で作られた十割蕎麦はグルテンを含まれません。
ただし、つなぎに小麦を利用した蕎麦もあるため、確認が必要ですね。
最近では米粉や大豆粉といったものも多く売られており、米粉パンや大豆粉を利用したケーキなどグルテンフリーの食品が増えています。
グルテンフリーの背景
グルテンを食べると体調が悪くなる!?
グルテンフリーダイエットは、もともとグルテンを食べると体調が悪くなってしまう体質の人向けにつくられた食事方法です。グルテンを食べると体調が悪くなる体質といっても様々。セリアック病のように重篤なものもあれば、グルテン不耐症のように軽度な症状ですむものもあります。
セリアック病
グルテンフリーダイエットが必要とされる代表的な疾患はセリアック病。セリアック病とは、もともと遺伝的に免疫疾患をもっており、グルテンに反応してT細胞性免疫反応が引き起こされる疾患です。症状として顕著なのは小腸の炎症で、吸収不良を起こしたり、貧血・下痢その他の症状が見られます。セリアック病の人は、小麦・ライ麦・大麦などの穀物に含まれるグルテンの摂取を一切控えなければなりません。
小麦アレルギー
小麦たんぱくは食物アレルギー物質です。
食べ物アレルギーのうち、小麦の摂取に反応してアレルギー症状を発症する体質は小麦アレルギーであり、卵・牛乳に次いで多い食物アレルギーと言われています。
自分の体の持つ抗原に対してグルテンが反応して免疫反応が起こるセリアック病に対して、アレルギーはアレルギー物質に免疫が過剰に反応して起こります。
グルテン不耐症
セリアック病との診断がなくても、グルテン摂取によって下痢やその他症状が見られる場合、グルテン不耐症と分類されるようです。
これら特定の体質をもった人は症状を発症させないために、その原因となるグルテンまたは小麦の摂取を避ける食事をとっており、痩せることを目的としてグルテン除去食を食べているわけではありません。
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グルテンフリーがダイエットに効果的と言われる理由
グルテンフリーの効果は?
グルテンフリーは上記でのべた特定の体質の人にとって、健康上のメリットを得ることができますが、健常者が減量効果を期待してグルテンフリーの食事を選ぶことについては、現段階では科学的根拠がまだ乏しいようです。
米で痩せホルモン分泌?
では、なぜグルテンフリーダイエットで痩せる人がいるのでしょうか。
実は、米を摂取することで、GLP-1といういわゆる痩せホルモンと呼ばれるホルモンが分泌されることがわかっています。
このGLP-1の分泌が促進されると、食欲が抑制され、体重の減少を促すことに繋がるのです。
つまり、パンやパスタなどグルテンが含まれるものではなく米を食べることで痩せに繋がるという解釈もできます。
グルテンフリーを試してみては?
グルテンフリーダイエットの本来の意味から、それらの食事方法がうまれた理由を説明しました。結論をいうと、セリアック病や小麦アレルギーなど特定の病気の人には効果があることは証明されていますが、ダイエットに関連していうと、まだそれほど強い科学的根拠がみられず、自信を持っておすすめできるダイエット方法とは言えるものではありません。
一方、グルテンフリーの食事をすることが健康を害することに繋がるものとも言えないため、気になる方は一度、試してみると良いかもしれません。
ただし、その際はグルテンをさけて小麦を摂取しない分、特定栄養素が不足してしまう可能性があることを理解し、栄養バランスを整えるために、ほか食材から必要栄養素を補いながら食事することを意識できるとよいですね。
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