ダイエットを始めるなら食材はこれ!管理栄養士が選ぶおすすめ食材10選

ダイエットに関する食事相談の際に多くのお客様に共通していることは、”何から始めたら良いのか分からない”という点です。
いざダイエットを始めようとした時に、食事や運動を意識することはできるのですが、自分の”今の生活の課題はどこにあるのか”、”その課題に対してどのように改善していけばよいのか”ということを説明できる方は少ないと思います。
そこで今回は、これからダイエットを始めようとしている方に「今の食生活のNGポイント」を把握してもらえるような内容をご紹介していきます。NGポイントだけでなく、タイトルにあるようにすぐに始められるような”おすすめ食材”についても説明していきます!



減量とリバウンドの循環がカラダにもたらす影響とは

リバウンド後は減量前よりも太りやすい

「食べる量を減らせば痩せるだろう…今日から1日1食にしよう!」
「1週間、食事をドリンクで置き換えてみよう!」
など、このような一時的なダイエット法をおこない何度もリバウンドを繰り返してしまっている方も多いのではないでしょうか。
これらの方法は、短期間での一時的な減量が目的であれば間違った方法ではありません。しかし、リバウンドを繰り返しているとカラダに負担がかかっていることをご存知でしょうか?

短期間での一時的なダイエットの後、すぐにリバウンドした場合、リバウンド後の体脂肪や体重がダイエット前よりも増えていることが多いとされています。体脂肪の蓄積は、肥満だけでなく、糖尿病や動脈硬化、がんなどの生活習慣病の一因となっている可能性が高いとされているのです。そのため、一時的に頑張るダイエット法より気長に続けられる「自分に合ったダイエット法」を見つけていくことで将来的に健康的な生活を送ることができます。

なぜリバウンドするのか

節約モードの切り替え

私たち人間のカラダは、環境に適応することができるとても優れた一面を持っています。
ダイエット時は、今までの食事とはちがい食事内容を変更したり、食事量を減らしたりしますよね。その際に、カラダの中では”ホメオスタシス”という機能がはたらきます。
ホメオスタシスとは、体内に少量のエネルギーしか入ってこない場合に、消費エネルギーを減らしカラダが正常にはたらくようにする機能のことです。節約モードに切り替えてくれるようなイメージですね。
この節約モードの切り替えスイッチは、すぐに反応してくれるものではありません。そのため、ダイエットを辞めた際も節約モードのカラダのままになっているので、食事量を増やすとリバウンドしてしまうのです。

例えば…
ダイエット時の食事が「置き換えドリンク(300kcal)」✕ 3食だったとします。この場合、1日の摂取カロリーは900kcalです。ホメオスタシスは、900kcalで1日生活できるように節約モードに切り替えてくれます。節約モードに切り替わると、途端に体重は減少しにくくなります。
しかし、7日後に置き換えドリンクに飽きたり、体重に変化がでないためダイエットを辞めてしまったとしましょう。
食事は「ラーメン(600kcal)」✕2食に変わってしまいました。
すると1日の摂取カロリーは1200kcalに…。この場合、カラダは節約モードのままなので900kcalを1日で消費しようとはたらいています。
1200kcal − 900kcal = 300kcal
となり、「300cal」が余ってしまいます。この余った分は、カラダのなかで脂肪として蓄積されていくということになります。

満腹感の調整

ダイエットをしていると、満腹感が感じられず「もっと食べたい…!」と思うことはありませんか?これには、”レプチン”というホルモンが関わっています。
“レプチン”は、満腹感を感じさせるはたらきがあるため、正常にはたらくことで食欲を抑制してくれます。さらに、自律神経の交感神経に働きかけ中性脂肪の蓄積を抑制し、エネルギー消費を促してくれます。
ここまで聞くと、レプチンをたくさん分泌させることができればダイエットは成功する!と思ってしまいますよね。
しかし、レプチンは脂肪細胞内の”体脂肪が増える”ことで分泌量が増えるのです。そのため、レプチンを増やすためには太らなければなりません…これではダイエットになりません。さらに、太ってしまうとレプチンのはたらきが悪くなることも分かっているため満腹感が感じられず、食事量もどんどん増えていってしまいます。

では、ダイエット中の食事ではどのような変化が起きているのでしょうか。
ダイエット中に脂肪の少ない食事をとっていると体脂肪は少なくなっていくため、レプチンの分泌量も減少していきます。そのため、満腹感が感じられず「もっと食べたい…!」と思ってしまいます。ここで我慢できずにダイエット前の食事に戻してしまうと、レプチンの量が少ない状態のため、なかなか満腹感が得られず食べすぎてしまいます。これがリバウンドへつながっていくのです。レプチンが適正量になるには、約1ヶ月かかるといわれているのでレプチン以外で満腹感を感じられるように工夫していく必要があります。

ホメオスタシスやレプチンの説明からも分かるように、ダイエットは短期間で考えるのではなく、長期的に考えることが重要です。ダイエットのゴールは目の前の「減量」ではなく、減量状態を「いかに継続するか」ということが1番のポイントになってくるのです。
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ダイエット中の食事ポイント

積極的にとりたい3つの栄養

ダイエットを成功させ、減量状態を維持するためにポイントとなってくる栄養をからだの中でのはたらきと一緒にご紹介していきます。

食物繊維

食物繊維は、人の消化酵素では消化することのできない食物中の成分のことです。
代表的な食材:雑穀類や野菜、くだものなどに多く含まれています。

食物繊維を多く含む食材は、よく噛んで食べるものが多いため、自然と咀嚼回数が増やすことができます。咀嚼回数が増えると、唾液や消化酵素の分泌が促進され、満腹中枢を刺激するので食べ過ぎ予防につながります。先程ご紹介した”レプチン”の代わりに、満腹感を得ることができますね。
また、糖質の吸収を穏やかにして、血糖値の急上昇を抑制するはたらきもあります。血糖値の上昇を穏やかにすることで、インスリンの分泌を抑えるので体脂肪の蓄積を防ぐことにつながります。

たんぱく質

たんぱく質は、血や筋肉、皮膚、髪の毛などをつくるのに必要とされる栄養素です。
代表的な食材:肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などに多く含まれています。

たんぱく質が不足すると筋肉量が減り、基礎代謝量も減ってしまいます。基礎代謝量は、私たちが生命を維持するために必要とされる最低限のエネルギーのことです。この基礎代謝量が減ってしまうと、脂肪が燃えにくくなるためダイエットの効果がでにくくなります。他にもたんぱく質が不足することで、貧血や抜け毛、むくみなどがおきる可能性も高まります。
筋肉のもととなるたんぱく質をしっかりとって脂肪が燃焼しやすいカラダを作っていくことも重要です。ただ、たんぱく質もとりすぎると、カラダの中で脂肪として蓄えられてしまうので適正量(体重 ✕ 1~2g)をとるようにしましょう。

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ビタミンB群

ビタミンB群は、エネルギー代謝には欠かせない補酵素としてはたらいています。糖質や脂質を分解し、運動時のエネルギー源となるATPという物質をつくるためにはこのビタミンB群が必要になります。そのため、ビタミンB群をバランスよくとることが重要になってきます。

ビタミンB1は、糖質が分解されエネルギーになる過程で必要となるビタミンです。
代表的な食材:豚肉やうなぎ、ナッツ類に多く含まれています。

ビタミンB2は、糖質や脂質の代謝を促し、成長を助けるビタミンです。
代表的な食材:レバーや牛乳などに多く含まれています。

ビタミンB6は、たんぱく質代謝の際、体内で一部のアミノ酸をつくるために必要となるビタミンです。
代表的な食材:かつおやサンマなどに多く含まれています。

ビタミンB12は、葉酸と一緒に赤血球の生成を助けるビタミンです。
代表的な食材:レバーやさんま、あさりに多く含まれています。
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3つのできるだけ避けたいもの

次は、できるだけ食べる量や頻度を減らしていけるとよいものをご紹介していきます。ダイエット期間中に意識することで減量後も食べる機会を減らしていけると良いですね!

糖質

糖質は、エネルギー源になるため、私たちのカラダには必要な栄養です。
しかし、エネルギーをとり過ぎてしまうと消費しきれなかったエネルギーは、カラダの中で脂肪として蓄えられてしまいます。
また、糖質を一度に大量にとった場合、血糖値が急上昇します。血糖値を下げようとインスリンが分泌されるのですが、この血糖値を下げる過程でも脂肪が蓄積されやすくなってしまうのです。
そのため、糖質は、極端に制限するのではなく、血糖値が急上昇しないように食物繊維の多い野菜から食べるなどの工夫が必要になります。
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脂質

バターや揚げ物などダイエット時には、やはり油っこいものは控えたいところです…。
しかし、脂質は、私たちのカラダの中に蓄積されている効率の良いエネルギー源です。脂質は、細胞膜やホルモンなどの材料になっているため、不足すると生体機能が正常に保たれず疲れやすくなったり、免疫力が低下するなどのおそれがあります。
脂質を全くとらないようにするのではなく、カラダの中で”燃焼されやすい脂質を選択していく”ことがポイントになります!

脂質の見分け方として1番簡単なのが「固まる油」と「固まらない油」です。
バターやラード、牛脂などは「固まる油」になります。これらは、飽和脂肪酸といって肝臓でのコレステロールの合成を促進します。
「固まらない油」は、ごま油やオリーブオイルなどになります。これらは、不飽和脂肪酸といって肝臓でのコレステロールの合成を抑制してくれます。
そのため、「固まる油」より「固まらない油」を選択できると良いですね!

塩分

塩分は、ナトリウムと塩素がくっついた”塩化ナトリウム”という化合物です。
ナトリウムは、私たちのカラダにはとっては必須ミネラルのひとつで、体液中に存在しています。ナトリウムには、塩分濃度の調整や栄養の消化吸収をサポートするはたらきがあります。
しかし、とり過ぎるとむくみの原因となり、代謝が悪くなってしまうためダイエットの効果がでにくくなってしまうので注意が必要です。
また、塩辛いものを食べるとご飯が進みますよね…せっかく、ダイエット中にご飯の量を少なくしても、ご飯と合う塩分をとり過ぎるとついつい食べすぎてしまいがちです。
リバウンドを防ぐという意味でも、ダイエット中に薄味嗜好にシフトできると良いですね!

ダイエット時におすすめの食材10選

炭水化物のおすすめ

炭水化物は、ご飯やパンなど主食として使用することが多いと思います。主食から食物繊維やビタミン類をとることができると食事全体の栄養バランスがグッとあがりますよ!

・発芽玄米
・雑穀
・全粒粉

たんぱく質のおすすめ

たんぱく質は、お肉や魚など主菜として使用することが多いと思います。なるべく、低脂質で高たんぱく質のものを選択していきましょう!
 
・ 魚

・ 豆腐

・ 鶏肉

野菜・くだもののおすすめ

野菜やくだものは、食物繊維やビタミンが豊富です。今回は、特にビタミンB2が豊富な食材をご紹介します!
 
・ 枝豆

・ ほうれん草

・ アボカド

・ バナナ

まとめ


いかがでしたか?今回は、短期間のダイエットではなく、長期的なダイエット方法に役立つ情報をご紹介しました。
いつもの食事を”制限”するのではなく、少しずつ変えて健康的なカラダを手に入れていきましょう!
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