本当にダイエットは必要ですか?
ダイエットを始めるまえに、まずは本当にダイエットが必要かを判断しましょう。本来は体重を落とす必要がないのに痩せてしまうことは、体にとってリスクにつながります。「自分にはダイエットは必要ない」そんな風に思っている方も、改めて自分の体に向き合ってみましょう。
まずはBMIをチェック
BMIは、健康診断などですでに一般的な指標となっていまうが、Body Mass Indexの略であり、体の大きさを表す指数です。体重➗(身長✖身長)で簡単に計算することができます。数値が18.5~25未満が標準的な体重とされ、BMIが25以上ある場合は肥満と見なされます。さらに、25以上のBMIの数値によって肥満度が異なり、25~30未満は肥満Ⅰ度、30~35未満は肥満Ⅱ度、35~40未満は肥満Ⅲ度、40以上は肥満Ⅳ度とされます。
計算してみていかがでしょうか。BMIの理想は、疾病率が最も少ない「22」とされています。
次に体脂肪量をチェック
体脂肪率によっても肥満度がわかり、男性は10~19%、女性は20~29%であれば健康的とされていますが、男性の場合、体脂肪率が20%以上で軽度肥満、25%以上で中度肥満、30%以上で重度肥満とされ、女性であれば30%以上で軽度肥満、35%以上で中度肥満、40%以上で重度肥満とされています。
ご自宅に体脂肪率を測れる体重計がない場合は、温泉施設などで計測してみても良いですね。体脂肪率は、計測時のポイントがひとつあります。体脂肪率は、体に占める体脂肪の割合ですから、食事直後や水分摂取後などで数値が変わってしまいます。食後、2時間程度経ってから計測するのが良いと言われています。
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20代の頃は、ダイエッ
50代のダイエット3つの壁
ダイエットを始めるまえに、50代ならではのダイエットの障害を事前に理解しましょう。ここで諦めてしまう必要はありません。理解することで、対策をしながらダイエットを始めることができます。
基礎代謝の低下
ダイエットに重要となる基礎代謝、これは体を動かす基本となるエネルギーを指しています。運動などプラスの活動をするためのエネルギーではなく、生きていくために最低限必要な活動(内臓を動かしたり体温を維持したりする)に使われるエネルギーです。1日の総消費エネルギーは、基礎代謝が約70%、生活活動代謝が約30%と言われています。
何もしなくても使われるこのエネルギー、実は加齢とともに少しずつ下がってきます。例えば、10代後半女性の1日の基礎代謝量は1,270kcal、18〜29歳では1,180kcal、30〜49歳では1,140kcal、50~69歳では1,100kcal、70歳以上では1,030kcalと少しずつ下がっているのが分かるでしょうか。同じカロリーを摂ったとしても、年齢を重ねるほど消費されるエネルギーは減少します。少しの差と思われるかもしれませんが、ダイエットには毎日少しずつの積み重ねが成功にも失敗にもつながります。「昔と同じ食事なのに痩せられなくなった」これは当たり前の現象です。
筋肉量の減少
日頃から運動習慣はありますか?特別な運動習慣がないにしても、日常生活でも体を動かす機会はあるでしょうか。基礎代謝の中で、最もエネルギー消費が多いのは筋肉だと言われています。筋肉を鍛えて筋肉量を増やすことができれば、基礎代謝量が増えるので、太りにくく痩せやすい体を作ることができます。一方で、筋肉が少なく脂肪が多いと、基礎代謝量が少ないので痩せにくい体になります。年齢を重ねて体を動かす頻度が減ることは、筋肉量の低下を助長し、ダイエットの妨げる一因となります。
ホルモンバランスの変化
女性の体が性成熟期を終え、更年期になり卵巣の活動性が次第に消失、月経が永久に停止した状態を閉経と呼び、50歳前後で迎える人が大部分と言われています。閉経を迎えると、女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が一気に減少します。女性は内臓脂肪がつきにくいと言われていますが、これはエストロゲンのおかげだと考えられています。ですから、エストロゲンの分泌量が減ってしまうと、特に内臓脂肪がつきやすくなる傾向があります。
テレビの流行りにのるのはNG!
ワイドショーやバライティーで取り上げられる数々のダイエット方法。いくつも試した経験はありませんか?流行りのダイエットがあなたにあったダイエットとは限りません。
〇〇ダイエットに注意
流行りの◯◯ダイエット、救世主のように見えるその方法も始める前に考えてみてください。特定の効果が期待できる食材や、低カロリーの食材が注目されることがありますが、たとえその効果が確かだったとしても、その食材ばかりに頼ってしまっては、他に必要な栄養素が不足します。体に良いもの、ダイエットに効果的なもの、個々が良いものであっても、体が必要とする栄養素は1つだけではありません。大切なのは必要なものを多すぎず、少なすぎず、バランス良く満たすことです。良いものであっても、それだけに偏るような食生活はダイエットに効果的とは言えません。
低カロリー、ダイエット食品は痩せない?
ダイエットにおいて、カロリーが低い=良いものと捉えがちですが、そうとも限りません。例えば、丼や麺類の単品と、サラダや小鉢のついた魚定食、前者の方がカロリーが低かったとします。では、どちらの方が栄養バランスが良いでしょうか。これは、一目瞭然、後者です。カロリーだけを見てメニューを選択していくと、必要な栄養素が不足したり、炭水化物に偏ったりと結果ダイエットに望ましくない食事になる場合があります。
大切なのは「バランス」「継続」
ダイエットの成功に必要なのはバランスと継続です。一時的なダイエット方法は、元の食生活に戻ればリバウンドにつながるリスクがあることを事前に理解しましょう。食べすぎている部分は抑えて、合わせて足りていないところは増やす、一時的な置き換えでなく、食生活をより良いものにしていくことが長期的には一番効果的です。
リバウンドを繰り返すほど痩せなくなる
ダイエットの方法を選ぶときに大切なのは、効果が得られること、続けられること、そして「リバウンドしないこと」です。リバウンドとは、ダイエットをやめた後に体重がダイエット前、またはそれ以上に増えてしまうことを言います。ダイエット経験者の多くは、リバウンドを経験したことがあり、またダイエットを繰り返しています。
ダイエットで体重が減る際は、脂肪だけでなくどうしても筋肉も落ちてしまうケースが多くあります。特に、無理な食事制限などで急激に体重が落ちた場合ば、この可能性が高いと考えてください。基礎代謝が低下する50代にとって、無理なダイエットで筋肉量を減らすことは、代謝の低下をさらに加速させる行為になります。そして、リバウンドして体重が増える際には、脂肪が蓄積されます。筋肉が減って脂肪が増えれば、次体重を減らす際には筋肉量が以前より少なく代謝量が低い状態ですので、ダイエットの難易度が上がった状態と言えます。リバウンドは、繰り返せば繰り返すほど「痩せにくい身体」を作っているのです。
同窓会や結婚式、特別なイベントなど、何かのためにダイエットをされる方も多くいらっしゃいます。ただ、誰しもが、理想のなりたい身体を一瞬手に入れるのではなく、できればずっと維持していたいはず。ダイエットは一時的な成功のためだけでなく、リバウンドしないために、最初からリバウンドする可能性の高い方法は選ばないことが重要です。
綺麗に痩せるために
「痩せたい」と思う気持ちが強いほど、今の生活から「減らす」ことに注目しがちです。しかし、ダイエットに必要なのは、適切な量をとることです。多く摂っているものは減らし、足りていないものは増やす必要があります。注意すべきなのは、炭水化物、タンパク質、脂質、足りていなければ、一時的に痩せられる可能性があります。極端に量を控え、以前より食事量が減れば痩せるのは当然のことです。しかし、こうした痩せ方は通常の食事に戻ればリバウンドを引き起こすデメリットがあります。ここでは、多くの方が不足しがちな栄養素について注目していきます。
野菜、足りてますか?
野菜といえば、なんとなく身体に良いものというイメージは皆さんあるかと思いますが、ダイエットに欠かせない理由は大きく2つあります。1つは、ビタミン・ミネラルといった不足しがちな栄養素を多量に含むことです。これらの栄養素は、不足すれば代謝が落ちる原因にもなりますし、ダイエット効率を下げる要因になる場合があります。もう1つは、野菜を食べることで満腹感を得られやすくなることです。食物繊維を多く含む野菜類を食べることは、自然と満腹感を感じやすい習慣になりますので、無理して我慢するストレスも軽減が期待できます。「食事はまずは野菜から」を意識してみてください。
綺麗な人は、タンパク質を欠かさない
お肉はダイエットに良くない!なんて声も聞きますが、決してそんなことはありません。肌や髪、爪など見た目に関わるあらゆる細胞を作るのはタンパク質です。不足してしまえば、美しく痩せることが叶わなくなるでしょう。満腹感を持続させてくれる働きもありますので、毎食欠かさないのが理想的です。
タンパク質としてあげられるのは、お肉、お魚、卵、乳製品、大豆製品など様々ありますが、それぞれ含まれる栄養素が異なりますので、特定のものばかりでなく、バランス良く食べるように意識してみてください。お肉や魚は脂身の多いものを避けられるとダイエット中は安心です。
水分も欠かさず潤いを!
どうしても食事にばかり目がいって、見落としがちな水分ですが、人の身体の6~70%は水分でできていますので、水分を不足させないことが重要です。身体の隅々まで必要な栄養素を届け、不要なものは体外へと排出させてくれる働きをしています。「喉が乾いた」そう思うときは、体内で水分が不足している状況です。喉が乾く前に水分をとる習慣を作りましょう。
一度に沢山摂取しても、不要な分は体外へだされてしまいますので、大切なのは食事の時以外、日中もこまめに水分をとることです。この際、甘味のあるものを避けることはもちろん、可能であれば氷の入った冷たいものが避けられると理想的です。
ただ痩せるダイエットは卒業
「この方法は一生続けられるのか?」ダイエットを始める前に考えてみてください。ダイエットではなく、この先も続く生活の習慣を改善できることが一番理想の形です。50代のダイエットを成功させるためには、決して無理はせず、自分のできることから少しずつ挑戦してみることが大切です。すぐ結果のでることやインパクトのあることを選ぶ必要はありません。自分ができること、続けられることを選び、それを長く続けることが成功の秘密です。
これまでダイエットの経験がある方は、これを最後のダイエットにするつもりで意識を変えてみてください。ただ痩せるだけ、細いだけを目指すダイエットからは卒業しましょう。しなやかで潤いのある憧れの姿を目指して、ご自身の生活を一度見直してみてはいかがでしょうか。