代謝アップや血行促進、身体の凝りや痛みの解消など、良いことづくめなストレッチ。
最近は開脚をするためだけの本や、ストレッチのナイトルーティーン動画が多くの方に見られており、ストレッチの注目度が上昇しています。
そんなストレッチの効果を最大限発揮するためには、どのタイミングで行うのがいいのでしょうか。
ストレッチのタイミングに関して、朝・昼・夜ごとのメリット・デメリットや、時間帯別おすすめストレッチ方法をご紹介します!
Contents
ストレッチにベストなタイミングは?
忙しい毎日にストレッチを取り入れる場合、どうせなら効果が最大化される時間帯に行いたいですよね。
結論から言うと、「ストレッチをしてはいけない時間帯」や「絶対にストレッチをすべき時間帯」というのはありません。
ストレッチの効果を最大化するには継続しやすいタイミングが一番大切であり、もちろん朝・昼・夜すべてのタイミングでストレッチをしても問題ありません。
ですので、ここでは朝・昼・夜それぞれのタイミングでストレッチをするメリット・デメリットを解説します。
朝ストレッチ:メリット
朝にストレッチをすることで、就寝中に滞っていた血流が良くなり、冷えた身体をあたためてくれます。
寝転んだまま伸びをするだけで、筋肉がほぐれて身体が目覚めるため、いつも眠たくてベッドから起き上がれないという方にもおすすめです。
また、代謝が上がるため、一日の消費カロリー増加も期待できます。
朝ストレッチ:デメリット
朝は身体が硬いため、日中と同じような激しい動きはケガのもとになります。
また、出勤前はゆっくりする時間が取りづらく、「結局続かなかった…」というケースも多いです。
出勤前のルーティーンに組み込みやすい「ながらストレッチ」を取り入れると、無理なく続けやすいでしょう。
昼ストレッチ:メリット
お昼のストレッチは、午前中の仕事で溜まったむくみや固まった筋肉をほぐす効果があり、
「午前の疲れのリセット」として効果的です。
また、血流がよくなるため、午後からの業務にも集中しやすくなります。
昼ストレッチ:デメリット
在宅ワークでない場合、ストレッチをする場所に困ることもあります。
また、企業の昼休憩は1時間が一般的。
空腹時はめまいを起こしやすく、食後は消化器官が安定しないため運動は控えるべきであり、この短い時間でストレッチをするとなると、やはり少し厳しいです。
とはいえ食後を避ければ問題ないため、お弁当を温めている1分間などを利用して軽いストレッチを取り入れれば、習慣化しやすいとも言えます。
夜ストレッチ:メリット
ストレッチに適した時間帯として有名なのが、お風呂上がりですよね。
お風呂あがりにストレッチを行うことによって身体があたたまり、筋肉が伸びやすくなるので、身体が硬い方でもつらさが軽減します。
さらに寝る前にストレッチを行うことで、自律神経を整えてリラックスできるため安眠効果も!
夜ストレッチ:デメリット
夜は朝や昼に比べて自由な時間が多いものの、残業や飲み会などで予定が狂いやすい時間帯でもあります。
急な予定変更でしっかり時間を取れない日があっても、その日は「ながらストレッチ」を取り入れるなどして、柔軟に対応しましょう。
また、いくらお風呂上がりのストレッチが推奨されているといえど、のぼせた状態はNG!
ふらつきを感じる状態でストレッチを行うと、バランスを崩してケガをする恐れがあります。
ストレッチを行う前は、40度以下の熱すぎないお湯加減にとどめておきましょう。
時間帯別!取り入れやすい簡単ストレッチ8選
時間帯ごとのストレッチのメリット・デメリットをご紹介しましたが、継続しやすそうな時間は見つかりましたか?
ここからは、時間帯別のより効果的なストレッチをご紹介します。
朝起きてすぐに!ベッドでできる二度寝防止ストレッチ
「朝起きてから」と言っても、まだベッドの中にいて構いません。
スマホや目覚まし時計に手を伸ばすついでに、腕と背中をグーッと伸ばしてみてください。
ついでに脚も伸ばしましょう。
かかとでお布団を蹴るように、グーッと。
これだけでも血流が良くなり、身体が目覚め、二度寝防止になります。
忙しい朝に!下半身を一気に伸ばすながらストレッチ(バレエの1番)
ベッドから起きたら、朝のルーティンはだいたい決まってますよね。
そんな忙しい朝にも取り入れやすいのがバレエの基本姿勢で、その名も「1番」。
お尻と太ももの大きな筋肉を伸ばすため、血流改善にかなり効果的です。
また、お尻の引き締めと脚痩せ効果があり、自然とバレリーナのようなキレイな姿勢になります。
やり方
1. 両足を揃えてまっすぐ立つ
2. かかと同士をくっつけたまま、つま先を外側に広げる
(45度程度、可能ならさらに広げてOK)
3. 膝を伸ばし、背中が丸まらないように前を向いてキープ
ポイント
足裏がつりそうな方は、無理せずつま先の角度を狭めましょう。
かかと同士を離すとバランスが取りやすくなります。
※ちなみにかかと同士が離れていると1番ではなく2番と呼ばれるようになり、こちらもバレエの基本の立ち姿勢の一つです。
お昼休みに!全身を効率よく伸ばす月のポーズ
お昼休みも、なんだかんだ時間が取りづらいですよね。
そんなお昼には、短時間で効率的に広範囲を伸ばす、月のポーズがおすすめ。
体側(上体の側面)をじっくり伸ばす月のポーズは、ヨガでもおなじみの初心者向けのストレッチ。
バランスを取ろうと全身が伸びるため、短時間でしっかり午前中の疲れが取れます。
立ったままやるのがスタンダードですが、座ったまま上半身のみ伸ばしてもOK。
やり方
1. 両足を揃えてまっすぐ立つ
2. 両手を頭上に伸ばし、右手で左手首を掴む
3. 肘を曲げないよう、上体を右に45度ほど倒して10秒キープ
4. ゆっくり上体を起こし、反対側も行う
ポイント
上体を横に倒すときは、腰が丸まったり反り腰になったりしないように気をつけましょう。
かかとの真上に膝、その真上に骨盤、その真上に頭、その真上に手首がある状態がベスト。
掴まれた方の腕から体側にかけて伸びを感じることができていればOKです。
オフィスでもOK!デスクでできる肩こり解消ストレッチ
お昼休みだけでなく、業務中の一休みにもピッタリなストレッチをご紹介します。
特にデスクワークで首や肩がつらいときにおすすめです。
座ったままできるので、思い出したときに伸ばしてみましょう。
1)胸鎖乳突筋(喉の横にある斜め向きの筋肉)伸ばし
やり方
1. 右手を鎖骨の左側に当て、首を右に倒す
2. 天井を見上げ、10秒キープ
3. 反対も同様に行う
ポイント
怪我防止のため、首を曲げ伸ばしするときはゆっくり行ってください。
天井を見上げる際の首の角度を変えると、より広範囲の伸びを得ることができます。
2) 僧帽筋上部(首の後ろ〜肩甲骨の筋肉)伸ばし
やり方
1. 背筋を伸ばし、左手で椅子を掴む
※左手は身体の横に下ろすだけでもOK
2. 右手で左耳あたりを押さえ、頭を右に倒して10秒キープ
3. 反対も同様に行う
ポイント
こちらも怪我防止のため、首を曲げ伸ばしするときはゆっくり行ってください。
倒す頭の角度を変えると、より広範囲の伸びを得ることができます。
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お風呂上がりに!柔軟アップストレッチ①開脚
ストレッチといえば開脚!という方も多いでしょう。
毎日行うことで変化が分かりやすいため、実はストレッチ初心者にもおすすめ。
そんな開脚ですが、腰痛防止や生理痛の緩和、さらにO脚や姿勢の改善になるなど、身体にも良いことづくめなのです。
筆者は1分×2セットを、毎日お風呂上がりに欠かさず行っています。
伸ばしやすいお風呂上がりに続けて、憧れの「柔らかい身体」を手に入れちゃいましょう!
やり方
1. カーペットなどの柔らかい床に座り、脚を開けるところまで開く
※このとき膝は少し曲がっていてもOK
2. つま先と膝を天井に向ける
3. 20秒ほどキープ
ポイント
最初は膝をまげても構いませんが、膝とつま先が内股にならないように気をつけましょう。
内股になっていると骨盤が開かないため、股関節は柔らかくなりません。
もし脚が90度開くようになったら、膝を伸ばすことを意識し、それができたら90度以上脚を開いてキープし、可動域を広げていきましょう。
お風呂上がりに!柔軟アップストレッチ②ダウンドッグ
ヨガのなかでもかなりメジャーなポーズ、ダウンドッグ。
肩や背中、腕や腰・お尻をまんべんなく伸ばすストレッチなので、かなり効率の良いストレッチです。
全身を使うこのポーズは、お風呂上がりの伸ばしやすいタイミングで行うとケガの恐れも軽減され、血行促進の効果も高まります。
やり方
1. 四つん這いになる
2. お尻を持ち上げ、肘と膝を伸ばし、手のひら・足の裏で踏ん張って「く」の字になる
3. 肩甲骨を伸ばし、10秒キープ
ポイント
肘を曲げないようにしましょう。
肩が出っ張らないよう、脇を開いて「ばんざい」の姿勢を意識すると良いでしょう。
つらい場合は、膝を少し曲げたり、かかとを浮かせても大丈夫です。
寝る前に!ベッドでできるリラックスストレッチ①ハッピーベイビー
ハッピーベイビーは、その名の通りご機嫌な赤ちゃんを彷彿とさせるヨガのポーズ。
しかし名前とは裏腹に、身体を落ち着かせるリラックス効果が得られます。
鼠径部(そけいぶ)という太い血管が集まる部分を伸ばすため、血流やリンパの流れの改善にも効果的。
そのためむくみや冷え、生理痛の改善が期待できます!
やり方
1. 仰向けに寝転び、体育座りのように膝を抱える
2. 足の裏を掴み、膝を開けるところまで開き、20秒ほどキープ
ポイント
リラックスすることが目的の一つであるため、無理をせず、キツいときは両膝の間を狭めてください。
足裏を掴むのが難しい場合は、足裏にタオルを引っ掛けて、タオルを手で引っ張るとやりやすくなります。
股関節が柔らかい方は、足裏ではなく膝を上から押すとより股関節に負荷をかけられます。
寝る前に!ベッドでできるリラックスストレッチ②チャイルドポーズ
チャイルドポーズもヨガでよく取り入れられており、身体をリラックスさせるポーズとして親しまれています。
全身の筋肉をゆったりと伸ばすため、血流促進・疲労回復効果があります。
さらに自律神経が整ってリラックスできるため、ヨガ教室中に眠ってしまう方もいるんだとか。
それほど高いリラックス効果が得られるため、ハッピーベイビーと合わせて寝る前の習慣にするのがおすすめです。
やり方
1. 正座の姿勢になり、膝と膝の間をこぶし半個分ほど開く
2. お腹を太ももに近づけ、余裕がある人はお腹と太ももをくっつける
3. 肘を曲げ、腕を枕にするようにおでこを載せる
ポイント
余裕があれば腕を頭の先に伸ばし、おでこを床につけるようにするとより全身の伸びを感じられます。
このときも、目指すべきはおでこが床につくことではなく、お腹を太ももにくっつけることです。
おでこを床につけることに意識が向きすぎると姿勢が悪くなりリラックスできないため注意しましょう。
時間帯よりも継続が大事!体操経験10年の筆者が教える習慣化できるコツ
「ストレッチは風呂上がりが良い」「朝ストレッチが身体にいい」などといった噂から、ストレッチに効果的な時間があるのでは?と思ってしまう方も多いでしょう。
確かに、時間帯ごとに伸ばしやすい・伸ばしにくいというのはあります。
しかし、繰り返しになりますが、効率的にストレッチの効果を得るには、時間帯よりも「継続」することが一番大事。
体操経験10年、今でも開脚が特技の筆者が、毎日ストレッチを続けるコツをご紹介します。
実は「スキマ時間」では続かない
ストレッチの方法を調べると、「5分でできる!」「スキマ時間に!」という謳い文句をよく見かけます。
しかし、スキマ時間というのは言い換えれば「暇があったらやる」ということ。
1日を振り返ってみると、「5分間何もしない暇な時間」なんてなかなかないと思います。
「スキマ時間にやる」と決めてしまうと、やらない言い訳ばかり積み重なって、なかなか習慣化できないのです。
普段の行動とストレッチをセットにする
「スキマ時間は続かない」と言いましたが、それならスキマじゃない時間、つまり何かをしながらストレッチをすればいいのです。
すでに習慣化している行動にプラスアルファでストレッチを組み込むことで、かなり習慣化しやすくなります。
筆者は、毎日お風呂上がりのスキンケアタイムで開脚をしています。
もう何年も「お風呂上がり=開脚しながらスキンケア」を習慣化しているため、歯磨きやお風呂同様に「やらない方が気持ち悪い」ほどになりました。
身体が伸びる気持ちよさを知る
ストレッチの経験が少ない方は、「ストレッチは痛めつけないと意味がない」と思っているのではないでしょうか。
しかし、ストレッチとは、本来「痛くて辛いもの」ではなく「身体が伸びて気持ちがいいもの」です。
凝り固まった筋肉をじんわりとほぐすことで身体が軽くなりますし、なにより毎日伸ばすことで関節の可動域がどんどん広がるため、楽しく続けられます。
周囲の人に見てもらう機会を設ける
体操選手やバレリーナは大会などで普段の練習の成果を披露しますが、そういった目標があるからこそ毎日のストレッチを続けることができると言えます。
日常生活でも、家族や友人にストレッチの成果を見せたり、水着などの露出の多い服を着る機会を設けることで、「もっと柔らかくなりたい!」というモチベーションの維持に繋がるのではないでしょうか。
ストレッチは習慣化も大事ですが、ストレッチのしすぎにも注意!
注意点や、ストレッチ効果を得るのに最適な強度も詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ストレッチと一緒に取り入れたい!効率的に柔軟性を高める食べ物は?
ストレッチが習慣になってきた方は、さらに効率的にストレッチ効果を得たくなってきませんか?
実は食べ物でも、身体の柔軟性を高めることができるのです。
たとえば、関節を柔らかくするためには、コンドロイチンという成分が効果的。
納豆やオクラなど、ネバネバした食品に多く含まれています。
また、身体を温めることで血行が良くなり、筋肉がほぐれやすくなります。
温かい飲み物を飲みながらストレッチを行ったり、普段からスパイスの効いた料理を摂取するとより効果的です。
「ストレッチだけじゃ物足りない!」という方は、ぜひ食事にも気を遣ってみてください!
時間帯ごとの効果や続けやすさを見極め、効率的にストレッチ!
今回は、時間帯別のストレッチ効果やメリット・デメリットをご紹介してきました。
筋肉は、伸ばしてもすぐに戻ろうとしてしまうため、とにかく毎日続けることが大事!
忙しくてストレッチにあまり時間をかけられない方でも、継続しやすい時間帯を見極め、効率的にストレッチを取り入れましょう!
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